「通信簿」 わが子よ、通信簿に記載された評価が思わしくないからと、 涙を流すことをやめよ。 父は信じている。 お前は、これまで一円の金もごまかしたことがなかったことを。 友達の約束はいつも果たしてきたことを。 そして幼いものを可愛がり、弱いものをいたわってきたことを。 潔白と信義と親切とは、人間として生きていくための至上のものだ。 それなのに、お前の通信簿のどこに そんなことが記載されているのだ。 わが子よ涙を流すことをやめよ。 お前の父と母が目指している、 もっともっと大きな通信簿に向かって歩いていこうではないか